【KMAPによる横・方向系の飛行特性の解析】


●KMAPによる横・方向系の飛行特性解析(全般説明)

・KMAPによる横・方向系の飛行特性解析は,縦系の飛行特性解析で用いた同じインプットデータ
 を用いて,操縦の方法のみをエルロンまたはラダーに変更するだけで行えます.

  (参考) 縦系の飛行特性解析については,下記をご覧ください.

     (2)KMAPによる縦系の飛行特性解析 


【具体的には,縦系の飛行特性解析と同じように解析を進めて,次の操縦方法において,
 横・方向系の操縦を選択します.】


●操縦方法の設定

L操縦方法の設定
**************< 飛行機の操縦特性 >*****************

  1 : 操縦桿  押し引き操舵 (エレベータ)    
  2 : 操縦桿  左右操舵 (エルロン)        
  3 : フラップ 上げ下げ操作           
  4 : ペダル  左右踏み操作           
  5 : 推力   増加減少操作           

**************< 飛行機の外乱特性 >*****************

  6 : 前後ガストug            
  7 : 上下ガストwg              
  8 : 横ガストvg            

***************************************************
  (不明時は1入力)                      
●上記解析メニーから選択してください
---------------------------------------
【初学者への使い方説明】                   
 ・縦系操舵(=1,3,5)では,終了後の「解析結果の表示」の“8”で,
  機体固有の縦系の飛行特性解析結果を表示できます.      
 ・横・方向系操舵(=2,4)では,終了後の「解析結果の表示」の“8”
  で,機体固有の横・方向系の飛行特性解析結果を表示できます. 
---------------------------------------            

【ここでは,横・方向系の飛行特性解析を行うので“2”または“4”とキーインします.その結果,
 次のように表示されます.】



出力する運動変数の設定
*********************************************************************************
(NAERO=21) 横δaコントロールシステム解析 ●出力キーイン:i=3:BETA, 4:p, 5:r, 6:PHI (不明なら6入力) *********************************************************************************
----(INPUT)---- 出力i=

【ここでは,“6”とキーインします.その結果,次のように解析結果のメニューが表示されます.】



●解析結果のメニュー表示


$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$< 解析結果の表示 >$$$$$$$$(KMAP**)$$$$$$$
 0 : 結果表示 終了

 1 : 安定解析図(f特,根軌跡)    (Excelを立ち上げてください)
      (極・零点配置,根軌跡,周波数特性などの図が表示できます)
      (極・零点の数値データは“9”(安定解析結果)で確認できます)
 2 : シミュレーション図(KMAP(時歴))  (Excelを立ち上げてください)
      (40秒または200秒のタイムヒストリー図に表示できます)
 3 : 機体3面図           (Excelを立ち上げてください)
 4 : 飛行性能推算結果       (TES10.DAT)
 5 : 空力係数推算結果       (TES5.DAT)
 6 : ナイキスト線図           (Excelを立ち上げてください)
 7 : シミュレーション図(KMAP(Simu))  (Excelを立ち上げてください)
      (Z191〜Z200に定義した値をタイムヒストリー図に表示できます)
 8 : 飛行特性解析結果(機体固有) (シミュレーション結果:縦→81, 横方向→82)
88 : 飛行特性解析結果(制御系含み)(シミュレーション結果:縦→881,横方向→882)
 9 : 安定解析結果         (TES13.DAT)
10 : その他のExcel図        (Excelを立ち上げてください)
11 : 運動アニメーションを実行(ただし,飛行機と水中ビークルのみ)
      (アニメーション開始:[shift]+[S], 終了:[shift]+[E])    
      (アニメーション表示モード変更:[shift]+[V])
      (アニメーション機体拡大:[Q], 縮小:[A])
      (アニメーション表示回転:[←],[↑],[→],[↓])
12 : 運動アニメーションの移動量を調節する           
13 : シミュレーションデータの保存と加工            
14 : 取り扱い説明書(pdf資料)             
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$

●上記解析結果の表示 ⇒ 0〜 を選択 -->



●解析結果:【8】横・方向系の飛行特性解析結果(機体固有)
                  (安定性・操縦性の解析)

 飛行機の横・方向系の飛行特性(安定性・操縦性)の解析についての詳細な検討 結果が次の
ように得られます.安定性・操縦性の解析とは,飛行機の尾翼の設計に対応します.回転運動
を伴う6自由度の運動方程式を解く必要がありますので,これまでは時間のかかる作業でした.
KMAPを用いると,安定性・操縦性の解析を行い,設計基準を満足するかどうかを表示します.

 具体的には,以下のような解析を行います.
  【横・方向系の飛行特性(安定性・操縦性)解析】 (機体固有)
   @ダッチロールモードの減衰比と振動数
   Aダッチロールの|φ/β|とζd・ωnd
   Bロールモードの時定数TR
   Cスパイラルモードの振幅倍増時間T2
   Dエルロン操舵時のロール角速度振動
   Eロール性能
   F定常横滑り能力

         定常横滑り能力の例 (横滑り角β=10°)
Y150226_2


【具体的には,上記解析結果の表示メニューで,“8”とキーインすると,解析結果が次のように
 得られます.】

     横・方向系の飛行特性解析結果(機体固有).Y150427.pdf


 ここに示した飛行特性解析は機体固有の場合ですが,制御系含みの場合についても解析
可能です.特に,制御系を含んだ場合の飛行特性解析はこれまで難しい領域でしたが,KMAP
では自動的にシミュレーション計算等を行うことにより解析を可能にしました.この制御系含み
の場合は別途説明する予定です.


 戻る 

(片柳亮二)